ヴェノムの続編『ヴェノム:レット・ゼアー・ビー・カーネイジ』が公開されるということで、1作目の復習のためU-NEXTで観賞しました。ヴェノムは現段階では、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と世界を共有しておりません。
しかし、MCUがフェーズ4に入った今、ヴェノムもMCUに参戦するという説が急浮上し、ほぼ確実視されております。今回は、映画の1作目を徹底解説するとともに、そういった点についても徹底解説していきたいと思います。
コミック版から映画製作まで
アメイジング・スパイダーマンで初登場(1988年)
ヴェノムは「アメイジング・スパイダーマン」#299(1988年4月)の最後のページで初登場を果たしました。そして、次号「アメイジング・スパイダーマン」#300(1988年5月)で敵役として登場しました。エディ・ブロックがピーター・パーカーに自分が誰であるか、そしてなぜピーターを殺したいのかを思い知らせる激しい戦いの後、スパイダーマンはヴェノムを征服し、エディとシンビオートの両方をファンタスティック・フォーの下へ連れて行き収容します。
映画『スパイダーマン3』で登場
ヴェノムが実写映画で初めて登場したのは、映画『スパイダーマン3』(2007)のエディ(トファー・グレイス)が悪に染まったシーンです。エディ・ブロックは、有望な写真家としてのキャリアを台無しにされたことで、ピーター・パーカーを憎み、復讐心に満たされ壊れていきました。
彼はパーカーの死を願うほど彼を憎んでしましたが、ある時、地球に墜落したエイリアンのシンビオートがスパイダーマンを見つけ、彼が眠っているときに寄生しました。スパイダーマンがその存在に気づいた後、その寄生物を追い払うのに苦労ましたが、その後、エディが乗っ取られました。
そして、パーカーに対するエディの憎しみと、以前のホストに対するシンビオートの憎しみが、強力な組み合わせとなり復讐を開始したのです。それ以降の、アメイジング・スパイダーマンやMCUシリーズのスパイダーマンには今のところヴェノムは登場しておりません。
映画『ヴェノム』解説 ※ネタバレ注意
ストーリー概要
物語は宇宙の未確認生物の発見から始まる
バイオエンジニアリング企業ライフ・ファンデーションは、新しい居住可能な世界を見つけるため探査機で宇宙を探索していました。その間に、4つの地球外生命体を発見し、それらを確保しサンフランシスコまでの輸送を開始しました。しかし、4つの内、3つは無事輸送することができましたが、1つは輸送中に暴れ始め、マレーシアに輸送船が墜落しました。
不法な人体実験により多くの犠牲者が産まれる
ライフ・ファンデーションのCEOであるカールトン・ドレイクは、今後の人類にとって避けられない生態系の崩壊に備え、人とシンビオート(地球外生命体)を結び付けることで人類をさらに強化しようと試みました。しかし、そのやり方は酷く残忍なものでホームレスや貧困者で人体実験を開始しましたが、シンビオートに多くが適用できず多数の死者を出しました。
この映画の主人公はジャーナリスト
TVでも有名なジャーナリストのエディ・ブロックは、そんな怪しい噂のあるライフ・ファンデーションのCEOに調査するため、ガールフレンドで弁護士でもあるアン・ウェイングを通じてドレイクとのインタビューを手配します。
インタビューの6か月後、エディはドレイクの下で働く科学者の1人、ドラスカースから連絡を受けます。ドラスカースはドレイクの残忍な手段に耐え切れず、エディが企業の裏事情を暴露してくれるのではと思い連絡したのです。
ドレイクの研究所に潜入するも…
そして、エディは犯罪の証拠を得るためにドレイクの研究施設に侵入します。しかし、研究所では知り合いのホームレスであるマリアが実験場に収容されており、助けを求めていたのです。エディは彼女を救おうとしますが、マリアに共生しているシンビオートがエディの体に乗り移ってしまいました。エディは研究所からなんとか逃げることができたが、すぐに奇妙な症状を示し始め、元カノのウェイングに助けを求めました。
シンビオートとエディ
彼女の新しいボーイフレンドであるルイス医師は、エディをMRIで調べます。そして、エディの体に住み着いたシンビオートですが、彼はMRIのような大音量に対して脆弱であることが分かりました。そして、シンビオートとエディはドレイクの研究所に再び向かい、彼の暴走を止めようとするのですが… 続きは映画『ヴェノム』をご覧ください。
ストーリーに登場したいくつかの謎
最後のシーンでエディに話しかけた男性は?
映画のラストシーンでエディが起き上がってウェイングとの会話を離れると、彼は犬を散歩させたある老人に話しかけられます。老人は笑って、エディに「彼女を手放すなよ」と言います。そう、この老人の正体は、マーベル・コミックの原作者である、スタン・リーなのです。
スタン・リーとは
スタン・リーはコミックの原作者ということもあり、ヴェノム以外にもMCUやソニーのマーベル映画にほとんど出演しています。パーティの客や、博物館の警備員、配達員やバスの乗客など目立たない役ばかりですが、実は多くの作品に出演しているのです
映画『ヴェノム』は、スタンが亡くなる直前の2018年10月に米国で公開されました。それで、彼がエディにロマンチックなアドバイスを与えるその映画での彼の役割は、ファンがスタン・リーを見た最後のマーベル映画となってしまいました。(スパイダーマン:スパイダーバース(2018)、キャプテン・マーベル(2019)、アベンジャーズ:エンドゲーム(2019)、これらはすべて彼の亡き後に公開されました。)
エンドクレジットの謎 ※ネタバレ注意
最後の刑務所の男性は?
ヴェノムのエンドクレジットで、サンフランシスコの北にあるサンクエンティン刑務所まで運転するところから始まります。エディは刑務所の長いホールを下って、真ん中に1つの大きなケージがある部屋に案内されました。そして、エディはレポーターとしてのキャリアを再開し悪名高い連続殺人犯にインタビューをするのでした。
そう、その刑務所に収監されていたのがクレタス・カサディです。彼は不気味な笑みで冷静にエディにこう語りかけます。
「私がここから出るとき、いや出るんだが… 大虐殺(カーネイジ)になるだろう」
カサディとは何者?
クレタス・カサディはニューヨークのブルックリンで生まれました。しかし、彼は生まれた時から殺人鬼としての一面を持ち合わせていました。カサディは、母親の愛犬をドリルで拷問したり、祖母を階段から突き落として死なせたりするなど、少年の頃から狂気に満ちていました。
そして、最終的に彼は孤立したままになり、セントエステスホームフォーボーイズ(少年院)に送り込まれました。しかし、そこで火災が発生し管理者が死亡したため、カサディは犯罪に関与した疑いを持たれました。
最終的にカサディは11人の連続殺人犯として逮捕され、エンドクレジットでも登場したサンクエンティン刑務所に投獄されました。
続編『ヴェノム:レット・ゼアー・ビー・カーネイジ』へ
映画『ヴェノム』のエンドクレジットに登場したクレタス・カサディが続編の『ヴェノム:レット・ゼアー・ビー・カーネイジ』の敵として降臨します。予告編を見る限りでは、カサディがエディと同じようにシンビオートの力を手に入れるようです。
続編では、カサディが最強の敵として現れ、そして彼についての過去も明かされるはずです。映画の日本公開は10/15(金)となります。
ヴェノムがMCUに参戦する!?
ヴェノムの映画配給会社はソニー
まずヴェノムはスパイダーマンと同じマーベルコミックとなりますが、その映画を作っている製作会社がそれぞれ異なるのです。アベンジャーズなどのヒーローは全てマーベル・スタジオ制作のため1つの世界観MCUを共有しています。但し、ヴェノムはソニーであるため、本来は同じ世界観にあるはずが映画会社が異なるために、世界観の共有が難しくなっているのです。
そのため、ソニーが最初に 映画『ヴェノム』を発表したとき 、ファンは怒り狂いました。スパイダーマンを一切関与させずに、ヴェノムのソロ映画を作るとは何事だと。ヴェノムは1作目を2018年に公開し、その続編を来月10月に公開しますが、現状では、その映画にスパイダーマンやMCUに参戦するといった話は出ておりません。
エンドクレジットや劇中でビッグサプライズあるか?
ソニーのドクター・オクトパスが17年ぶりにMCUに参戦
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の予告編にて、アルフレッド・モリ―ナ演じるドクター・オクトパスが帰ってくることが明らかになりました。
アルフレッド・モリ―ナといえば、2004年に公開された『スパイダーマン2』の敵役でした。そして、当時のスパイダーマンシリーズはソニー・ピクチャーズによって制作されていたのです。
つまり、ソニーで出演していた俳優が、マーベル・スタジオが手掛けるスパイダーマンに同役として起用されているというのは、既にソニーとマーベルの間に何かしらの話し合いがあり、合意に至ったものだと思われます。
ドクター・オクトパスだけではない?過去のスパイダー俳優の勢揃い
なんと、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)ではドクター・オクトパスだけでなく、過去のスパイダーマンを演じた俳優トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドなど全員が勢揃いするのではないかといった、噂が巻き起こっているのです。
また、アメイジング・スパイダーマンシリーズを演じたアンドリュー・ガーフィールドは、この噂についてこう言及しました。「ファンのみんなが噂しているのは知っているけど、僕が今何かを言ってしまったらファンががっかりするか、興奮するかの2択でしょ。だから、今は何にも言えないよ」
もしも、スパイダーマン役の俳優全員が登場した際には、ヴェノムは間違いなくMCUに参戦することでしょう。私達は今後公開される、ヴェノムの続編やスパイダーマンを観ることで必ず何かのヒントを得られるはずです。そう考えると今から公開まで待ちきれなくなってきたのではないでょうか?
感想まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヴェノムはソニー・ピクチャーズの映画ではありますが2018年に劇場公開し、2021年に続編を公開するなど、奇しくもMCUのフェーズ4と重なっているのです。ヴェノムはコミック版よりスパイダーマンの宿敵として描かれてきており、スパイダーマンなしでは未完成です。
今年の10月に映画『ヴェノム:レット・ゼアー・ビー・カーネイジ』、12月に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が公開されますが、是非この映画でヴェノムがMCUに参戦するというサインをファンに知らせてくれれば今後のMCUは最高に盛り上がること間違いなしです!